戦争
1486 106

河川敷の高架橋の下に
近隣住人達と一緒に逃げてきた
誰一人として取り乱したりせず
それは落ち着いた様子だった

空の高い位置で爆弾が爆発する
肉眼ではっきりと確認できた
誰一人として逃げ惑うことはなく
それは花火のように綺麗だった

河原の方から怒号が聞こえた
「何そんな所でじっとしているんだよ!
 あんな奴殺してしまえばいいんだよ!」
若者がたった一人で黄色い蛍光ペンを振り回しながら叫んでいた

それを聞いたせいか付近の人達はみんな駐車場の方へ歩き出した
良くしてくれるおじさんが耳打ちしてきたから言ってやったんだ
「はっきり言ってしまえばキレてます
 ああいうの許せない質なんで」

直後尻の辺りに強烈な痛み感じた
どうやらナイフを持った強盗に刺されたようだ


自由詩 戦争 Copyright 1486 106 2017-05-21 04:31:11
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