エピグラフ
梅昆布茶
ところどころ染みがあったり
生活のほつれを永遠に修復の終わらない遺跡のように身体に
こびりつけたまま時に非日常の夢を見る
晴れときどき詩人みたいな気がする日には
あえて蛙の被り物を棄てて芋虫になってみる
重層した時間を掘削してみるとプラスチックの遺跡に行き当たる
年代を特定することもできないシャイな破片たちが続々と
だれかの良心に突き刺さるようにすべての故郷に還ってゆく
君に触れる
良い香りが時間をとめる
盲目のぼくは以前よりもずいぶん
饒舌になってしまった
空間の弾力がぼくを押し戻す
言葉の疲弊が何かをよびかえす
腰痛と手の痺れがいつも僕の友達だが
人は生きてゆくためには永遠に食わなくてはならない
簡単に死ぬわけにもゆかないので
そう僕たちはみんな
寂れた世界に
つかれた派遣労働者のように生きる
すべてはそのままの姿ではとどまりはしないものだ