弾丸は暴れる
坂本瞳子

はちきれんばかりの心が
叫び出しそうで
泣き出しそうで
必死に口を押さえて
両手で覆って
精一杯のスピードで
駆け抜ける
何者をも諸共せずに
一直線に走り続ける
疾風のごとく
あらん限りの力でもて
髪をなびかせて
怒れる悪魔の如く
息もしないで
両手は口を覆っているのに
まだまだずっとどこまでも
世界の果ての向こう側まで
猛烈に強烈な速度でもって
走り抜けて行く


自由詩 弾丸は暴れる Copyright 坂本瞳子 2017-05-12 01:16:39
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