10本足
竜門勇気


吹雪松まで草に食う
急に冷める激情も
川に流して忘れる
つもりなんか?

壁の前まで足で来る
ヒドラ風情に罵られ
捨てたものまで
食われ、知らん顔か

大王まま名前うてあって
こっちの顔までくれてやるんか

10本足
10本足の乞食

大王まま反射しておのれの
顔すらまんまにくれてやるんか

噴火の足元でケツまで
這ってくるもんとおるんか
仏もおらんと乞いおうて
まだ笑おうと言うんか?

大王ままうておうて
この顔までほかそういうんか?



自由詩 10本足 Copyright 竜門勇気 2017-05-07 08:36:06
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