サクヤ
ヒヤシンス


 黄緑色の日輪が大地を包む朝。
 夢を見る人々の衣は虹色で、頭上の天使は
 煌びやかな金粉を撒いている。
 祈りよ、天に届け。

 流転の中で千変万化する魂は
 一輪の花によって極まれる。
 苦悩はやがてそよぐ風と共に去り、
 天から下る一本の糸に新たな道程を見る。
 
 慎ましやかな世界の果てには窓があり、
 複雑な天使の通り道には花が咲き、
 魂の行方を司る石は塩で満ちている。

 古今東西の華やかな宴はささやかに始まり、
 沈黙を守る人々の上にも広がっている。
 朝に見る道程をなぞる奇跡こそ真実だ。

 

 


自由詩 サクヤ Copyright ヒヤシンス 2017-05-06 07:19:15
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