つらい終活
ホカチャン

入院している親は
自分の家へ
一日でも早く帰りたがっている
看護師が血圧を測りに来るたびに
「もうだいぶよくなりました」
と何回もアピールしている
しかし
一人で暮らすのはもう無理だ
そうかといって
子どもの家に引き取るわけにはいかない
息子は看れないし
嫁は嫌がっている
病院と子どもたちとの話し合いの結果
親の切なる願いむなしく
他の施設送りとなる
手塩にかけた子どもたちがいても
厳しい現実が待っている
年老いた親は
子どものようにだだをこねるわけには
いかない
早く逝きたいと願うだけだ



自由詩 つらい終活 Copyright ホカチャン 2017-05-05 09:45:17
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