十七夜
もっぷ

月のひかりを求めてちいさな不思議が森を出ていく
君たち塩梅は
ちょうど同じころだ わたしは森に一歩を刻む
……晴れ晴れと

ゆるやかな坂の上りも下りも選べる彼ら
時の源泉にゆるされて
よくよく判れば彼らはこの世のものでなくて
……いくつもの

夜の風に木の葉の調べ やさしく
なつかしく
名を呼ばれる 呼ばれない 呼ばれたいと
……頽れる祈り

未明をやりすごし朝まだき けぶる
靄のなかの刹那の



自由詩 十七夜 Copyright もっぷ 2017-05-04 15:56:00
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