空の高くへ
坂本瞳子

むせるような息苦しさが
深い色の雲とともに立ち込め
空の青を覆い隠し
陽の光を閉じ込め
明日という希望を
もう少し先に追いやる

息をするのを少し我慢して
涙を零さないように
歯を食いしばって
足を踏ん張って
光の欠片を見つけようと
空の上の方を探す

腕を伸ばしきって
小指の先まで力を込めて
それでも触れられない
輝きの一片も見当たらず
鼻息だけを荒くして
諦めることを未だ学ばず


自由詩 空の高くへ Copyright 坂本瞳子 2017-05-02 18:42:38
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