パレードが終わった四月に。
5or6

四月に
雪が降ることが
当たり前になった時代から
四月に
雪が降ることが
特別だった時代に戻って
残された音楽を聴きながら
振り向かない背中を
眺めている

届かない指先なら
もう一つの指先を伸ばす
繰り返す幻想の波と
呼び戻す現実の声が
降りしきる雨の中で
流れている

強烈な個性は精神を痺れさせる
どんな毒でもいつかは抗体が生まれ
消えていくものだけれど
あなたが与えた毒だけは
いつまでたっても消えることなく
赤と青の交わる魂の中で
紫色に染めている

たとえ
四月に
雪が降ることが
当たり前になった時代でも
きみはきみのままで、

教えてくれた

あなたを忘れない











自由詩 パレードが終わった四月に。 Copyright 5or6 2017-04-22 08:03:42
notebook Home