ハチノス
Seia



今朝から重く
かたむけたあたまは
いつのまにか耳から後ろが
スズメバチの巣になっていました

どうりで
何をするにも
こめかみの奥で聴こえる
羽音が止まなかったはずです
視界の端を
黒いものが数匹
常に飛んでもいました

だからといって
駆除しようにも
侵食された
あたま全体を
取り替えないといけないでしょうから
一生付き合っていくしか
ないのかもしれません

幸い刺されたことは
一度もないので
わたしを
居住空間のあまった方だと
あちら側は理解しているのだと
すこし都合よく
解釈して

それから
結局日が暮れるまで
部屋の壁をみつめていました
すこしなにか
お腹に入れておこうと
冷蔵庫を開けると
牛乳と
トマト半分
しなびたレタスと
玉ねぎ一個しかなくって
ああ
そうだ
コンビニ入れるでしょうか
いまはそれだけが
心配なのですが


自由詩 ハチノス Copyright Seia 2017-04-01 21:11:49
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