発泡ストリーム
竜門勇気
時間には限りがあるなんて
どっかの商人の常套句
信じちゃだめだし
聞くのも毒だぜ
売りつけられた時間が
ただ過ぎていく日曜日
だだっ広い場所で
日が暮れるまでに歩ける道のりを想像して
ひねて腐れる無数の劣情
時間は無限だ
時間は無限だ
嫌なことは後回しにしろ
追い詰められたら逃げるんだ
立ち向かっちゃだめだし
諦めるのもやめだ
売りつけられた時間は
ただ過ぎるだけの日曜日
きみは頑張りすぎる
僕はそんなもん捨てて
どっかいこーぜって思ってる
安くて旨い酒の飲み方を教えてあげるよ
「これはこいつはタダみたいなもんだ」って思いながら飲むんだ
発泡ストリーム
春が来たんだ
ずっと夢を見てた
来るんじゃないかと思ってた
予感があった預言を聞いた
時間は無限だ
時間なんか安い酒なんだ
きみといる時間はなにより幸福だ
だからわかるだろ
知って消えちまったんだろ
こいつはタダみたいなもんだ
タダだったんだ
なにも残さずに消えちまったんだ
発泡ストリーム
夜は大きくなっていく
ずっと夢を見る場所だと思ってた
眠りはそこを追い出されて
こそこそ小銭を稼いでる
時折手紙をよこして僕は
芝居がかった預言を聞いた
時間は無限だ
時間なんか安い酒なんだ
きみといる時間はなにより幸福だ
だからわかるだろ
知って消えちまったんだろ
こいつはタダみたいなもんだ
タダだったんだ
なにも残さずに消えちまったんだ
嫌なことは後回しにしろ
サヨナラをポケットいっぱいにいつも持ってる
色んな言い回しで色んな便箋で
いくら使っても減らないのさ
サヨナラはいくらでも湧いてくる
なんてったってそうだろ
ほら時間は無限だからな
時間は無限だ
時間は無限だ
閉じ込められた涙と炎
あぶくの嵐
発泡ストリーム