砂粒のように紡ぐ
秋也

便りと契
昔からの名残
液体に溶けた塩
むき出しの白と汗
体温より高く
熱冷めず
より遠くへ
ひどく風荒む海岸
ゆっくりゆっくり
波は収まらないんだ
樫の木の杖
光沢帯び
古に妖しさ
かじかむ指はもどかしく
伸ばしても伸ばしても
触れられず
全てが鈍っていく
水しぶきが凍り
僕の頬を打つ
懐かしさは寒さと永遠
思い出せない夕日
今日と今だに
雷光だけがつんざける
いつかの微睡みへ続け


自由詩 砂粒のように紡ぐ Copyright 秋也 2017-03-22 03:39:34
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