夜桜
吉岡ペペロ

窓辺に座って目の高さの夜桜を眺める

春霞の空は街のひかりを吸って灰色に濁っている

額にあたる風が花びらを舞わせている

涙のようだ

あのときわたしが流した涙のようだ

涙はしたに落ちるばかりではない

舞い上がって

どこか遠くに運ばれたりもするのだ


組み立てたプラモデルでも愛でるように

悲しみを見つめていた

あきらめ顔みたいな微笑み浮かべながら


窓辺に座って目の高さの夜桜を眺める

春霞の空は街のひかりを吸って灰色に濁っている

額にあたる風が花びらを舞わせている

涙のようだ

あのときわたしが流した涙のようだ

涙はしたに落ちるばかりではない

舞い上がって

どこか遠くに運ばれたりもするのだ








自由詩 夜桜 Copyright 吉岡ペペロ 2017-03-20 20:59:38
notebook Home 戻る