夜桜
吉岡ペペロ
窓辺に座って目の高さの夜桜を眺める
春霞の空は街のひかりを吸って灰色に濁っている
額にあたる風が花びらを舞わせている
涙のようだ
あのときわたしが流した涙のようだ
涙はしたに落ちるばかりではない
舞い上がって
どこか遠くに運ばれたりもするのだ
組み立てたプラモデルでも愛でるように
悲しみを見つめていた
あきらめ顔みたいな微笑み浮かべながら
窓辺に座って目の高さの夜桜を眺める
春霞の空は街のひかりを吸って灰色に濁っている
額にあたる風が花びらを舞わせている
涙のようだ
あのときわたしが流した涙のようだ
涙はしたに落ちるばかりではない
舞い上がって
どこか遠くに運ばれたりもするのだ