3月と生涯
番田 


私は一人で川べりの道を行く時に
私は一人で考えていた
頂上に美術館のある見覚えのある坂道 しかし
空の どこか色あせた風景の中で


山手線が遠くに通る
春なのに そして 重いコートを引きずって
しかしベランダのパセリについた害虫に
私は私の その生活を 感じ取る


道端の立ち止まる人のいない草を眺めながら
人生を選択することに 私は意味はあるのかと 
私は私の 生涯を知る人は
どこにもいないと 一人で川面を見つめる


アブラムシを見つめる私はこの先どうなってしまうのだろう
私は未だに私服で家を出るけれど
ビルの映る 空の中を 見ている 
そして 3月の空を そこに感じとる



自由詩 3月と生涯 Copyright 番田  2017-03-20 20:26:18
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