自照詩人
長崎哲也

遠くの情景に
ひとまず別れを告げて
内なる心象に目を向ければ
喜怒哀楽と
それらに紐ずけられたものどもが
溢れてくる

それらは、別々に現れるのではなく
万華鏡で回し見するみたいに
おのおのが繋がっては、離れを繰り返す
それが、人の感情だとでも
言うように

奥の薄暗いところまで
目を凝らせば
自分でも忘れていたものが
浮かんでは消えて
時々、はっきりとするも
また、消えて
明滅を繰り返している

もっと奥の暗闇には
得体の知れないものどもが
混ざりあっては分離を試みて
いつの日か、表に出ることを祈っている
しかし、それは
叶わない願いかもしれない

それらは、わたしに
溢れたものたちを言葉にしろと
呟く
 
 


自由詩 自照詩人 Copyright 長崎哲也 2017-03-12 10:32:30
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