自称詩人狩り
花形新次

核後の時代
人々は今日の食料を求めて
みんな死にもの狂いで
彷徨っていた
そんななか
自称詩人の自称詩は
煮ても焼いても食えないが
自称詩人の肉は
淡白でアッサリしていて
意外と美味いという噂が流れた
餓えた人々が
自称詩人狩りに走ったのは
言うまでもない

核後の世界の情景を
そこにおかれた人々の心情を
言葉にしようとするが
あまりに稚拙過ぎて
クソみたいな自称詩にしか出来ない
役立たずな自称詩人達

彼等に出来ることは
静かに捕らえられ
炭火でじっくり焼かれ
ゆず胡椒で
食べられることだけだった



自由詩 自称詩人狩り Copyright 花形新次 2017-03-12 07:20:40
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