自称詩人狩り
花形新次
核後の時代
人々は今日の食料を求めて
みんな死にもの狂いで
彷徨っていた
そんななか
自称詩人の自称詩は
煮ても焼いても食えないが
自称詩人の肉は
淡白でアッサリしていて
意外と美味いという噂が流れた
餓えた人々が
自称詩人狩りに走ったのは
言うまでもない
核後の世界の情景を
そこにおかれた人々の心情を
言葉にしようとするが
あまりに稚拙過ぎて
クソみたいな自称詩にしか出来ない
役立たずな自称詩人達
彼等に出来ることは
静かに捕らえられ
炭火でじっくり焼かれ
ゆず胡椒で
食べられることだけだった