窓はない、最初からなかった
AB(なかほど)

十年経って
ようやくわかった
窓はない
最初からなかった


向こうのひと
と思っていた
向こうの世界だと
思っていた
よくわからないまま
手を振った
まだ会ってもいないのに
さよなら
    って


銀河鉄道の話を聞きながら
僕は窓の外の天の川を
思い浮かべていた
君はそんな僕を
とても遠いとこから
探し出してくれた

それからやさしく
解けていった


窓はない
最初からなかった
そう思ってごらん





窓はない
最初からなかった

僕の心のすべては
君にはなたれていて
君の心に包まれている

そこに
壁も垣根もなく
窓なんてない

そんなふうに
している僕の心は
そのうち
君の心のすべてを包む
ことができるのだろうか


窓はない
最初からなかった
そう思ってごらん



そう

窓はない
最初からなかった










*引用部分「窓からみる」即興ゴルコンダより


自由詩 窓はない、最初からなかった Copyright AB(なかほど) 2017-03-11 19:51:41
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