ミルクパズル完成の季節
ジウ


比喩の上手な娘だった

お互いをひとつ、またひとつ 知っていくことは、
ミルクピースの嵌まる所を見つけるようなものよ

頭脳ゲーム 記憶 感覚 時間潰し

端ッこから攻めて
飽きたらたまには違うことをして、
あるときは意外な所で繋がりを見つけたりもして
時には大胆に中央を攻める

完成が近づくにつれ 無理矢理嵌め込もうとしたピースは
思うようにはならなくて跳ねとんだ

そして増えた喧嘩を責めるように
真ん中に空いたイビツな穴を二人で埋め会うこともなくなった

家は静かになり、西日の差し込む四角い日溜まりに、 いつしか敷いた新聞紙が茶色に焼けている

陽射しの陰影は残酷だ 埋めてしまった外堀が気になってイライラした
このままいっそ、全てをバラしてしまいたい
それでも一人で完成へ近づける度、過去を振り替える

いてもたってもいられなくなって 腹立ちのせいにして電話をしたら、

最後のピースは、私のコートポケットの中にあるのよ
なんてあの娘はいった
待ちくたびれた猫のような欠伸して、 春までに完成させにくる


自由詩 ミルクパズル完成の季節 Copyright ジウ 2017-03-05 00:13:10
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