クイーン
レタス

貴女に初めてまみえた静かな夜の舞踏会
私は氷漬けになってしまいました
白魚のような指先に軽くキスをして
貴女は月のような頬笑みを浮かべて
互いに頷いた

初恋のような電撃が私の胸を貫き
心臓は張り裂け
紅蓮の炎は背中を焼きつくしていた

許されぬ視線をどう捉えたのか
貴女のと私の瞳は潤んでいた

せめて私がスペードのエースならば

私は千年の旅を振り返った
捜して捜した刹那の瞬間だった

月の冷酷さに包まれた
恋の幕切れ

来世に夢を繋ぐ




自由詩 クイーン Copyright レタス 2017-03-03 22:32:51
notebook Home 戻る