Love&Peace&Kitchen
梅昆布茶

インスタントラーメンと目玉焼きぐらいしかつくれなかったが
いつしか肉ジャガが美味しくつくれるようになってしまった
かぼちゃの煮物と筑前煮と筍の土佐煮にきんぴら

変化は世の常ではあるが妻と離別し
母も他界し息子3人からは音信もない

逼迫する生活の中で老いながら学んでゆく
個の経済学と上野千鶴子的社会学

人間は急には変われないがしかし
常に変革を追い求め得る存在でもある

自身のパラダイムを組み替えることは至難の技ではあるが
地球儀(いまではGoogleearthか?)をくるくる回してみると
そこには眼にみえないほどの無限の母のレシピが貼り付けてある

保存瓶に整列した梅酒やピクルスや誰かのハートや国籍のない手紙
歴史の外の世界にあらたに棚を設け自分の中で並べかえてみる

ひとの生業は様々で良い
それぞれが尊厳をもって生きることはとても素敵だ

僕は今日も未知のレシピを探しながらかつ老いながら歩いてゆく
たぶん身体の続くかぎりは走り休み息を整えながら転がり続ける

ときどきシフトするが僕は母のレシピを毎日つくってゆく
すべてと僕の大切なものを食するためにそれが生きることだと
教えてくれた人の為に










自由詩 Love&Peace&Kitchen Copyright 梅昆布茶 2017-02-27 21:06:19
notebook Home 戻る