四角の箱に丸い穴を開ける
白い箱にしよう
白くて四角い箱
いや
四角い白い箱か
大きさは
数字で書くと300×300×300の大きさ
いや
前にならえであげた手の位置の大きさにしよう
つまり
丁度抱え込めるぐらいの白い箱に穴を開ける
理由を考える前に
雀が飛んできたから
鳥の巣にしようと思いつく
いや
そんなに大きい穴にする予定もなかったから
雀くらいなら丁度いいかもしれない
その穴をホルソーでくり抜く
木の粉が飛び散り
鼻をくすぐり
クシャミをする
二回
いや
三回でもよかったのかも
と書くと後に
どうでも良かったこと
当時付き合っていた彼氏に言われたこと
連れてきた子と
三人でボーリングに行って
カラオケして
朝の道玄坂で別れたこと
白いアスファルトに書かれた止まれが
長く伸びていくまで
下を向いて歩いたこと
そして
家の外の
父さんが作った栗鼠の小屋を放り投げて
三日間部屋に閉じこもって現在
手元にドングリが転がってきたこと
振り向くと
栗鼠が頷き
窓に向かい
そしていなくなったこと
その大きさは
雀よりも大きかったから
もう一度穴を開け直して
やっぱり栗鼠の小屋にしようと思ったこと
父さんはもう
日曜は愛人の部屋に行って
家に居ないから
かわりに
父さんの道具を使って
色々な穴を開ける
そんなような、こと
色んなものがホルソーで
木の粉になって
鼻をくすぐり
クシャミをする