さんわのあひるよんわのあひる
AB(なかほど)

おじさんになりかかった頃
生まれた日を猫の日にされた
猫は好きだが
ニャーと哭いて生まれたわけでもなく

思春期でなくてよかった
いきなり猫の日ですと通達されると
より戸惑ったかと思う


    ひのえうま はんせいきこえ いまだゆめ
    222 2222




通知表のゾロ目って
何か不可思議な力を感じてて
皆の憧れのオール5
もいいけど
オール4でも3でも
アナーキーな1でも

だけどあひるの行進は
どうしてかわいいんだろうね
それがたぶん初恋

約束なんかしなきゃよかった
って言う
そんな約束が羨ましくて
しょうがなかった


    ゆうやけに にじんでしまえ やくそくの
    222 2222




手をつないでた子供たちが
いつのまにか
そばにいなくなる
その全てを見ていたかったけど
そんなことできるはずもない
消えてしまうのは僕のほうで
君たちは
僕らの行けない世界へ行くのだから
僕らの知り得ない世界を作るのだから

足並みは揃わされなくてもいい
本当の優しさを知っている君なら


    よあけへと たびじたくのて ゆるやかに
    さんわのあひる よんわのあひる








即興ゴルコンダより


自由詩 さんわのあひるよんわのあひる Copyright AB(なかほど) 2017-02-23 20:35:46
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