無音の部屋
乱太郎

音のない電話が置かれて
わたしはそこにはいなかった

涙がこぼれそうな音楽が流れて
あてのない悲しみはもうそこではない気がした

楽譜が全く読めないわたしは
楽器に触れても音を奏でることが出来ない

夜中の室内は音符も見当たらず
慰めも労わりも盲目の詩の書きかけで終わりそう

音が消えた電話が震えた
ただわたしはもうそこにはいなかった


自由詩 無音の部屋 Copyright 乱太郎 2017-02-22 20:26:19
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