畑作り
梓ゆい

父が育てたジャガイモをふかして食べた。
潰したジャガイモに
マヨネーズとハムを混ぜ込んで。

腹が膨れて横になっていたら
父が畑から帰ってきた。
シャワーを浴びた後
気持ちよさそうに頭を拭いて。

「お父さんごちそうさま。」
嬉しそうに笑う眼鏡越しの父の瞳
今度はバターを塗って
ふかしたジャガイモを半分に分ける。
大きな口を開けて頬張る
娘たちの顔を見るために。

溶け出したバターがゆっくりと皿の上へ流れ落ちる。
父のジャガイモに見劣りしない
色濃く濃厚な国産バター。



自由詩 畑作り Copyright 梓ゆい 2017-02-19 02:12:06
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