夢みる
はるな
世界が世界であるかぎり
わたしたちは夢を見るのだし
なんどでも夢からさめる
放りだされたさいころみたいに
つめたい体を転がしながら ときどきは、
咲いたりもする
咲いたふりをして逃げたりもするし
逃げてるのを忘れて
追いかけたりする
パンにバターを塗りもするし
友人を殴ったりもする
ときどきは、
ほんとうに ときどきは
愛したりもする
それならもっとときどき
愛されたりする
それらすべてに気づかなかったりするし
ないことをあるように感じたりする
夢のつもりで描いた嘘だったり
嘘みたいな夢だったりする
ぜんぶは少しずつ弱くできていて
重なるようにくぼんだ世界の弱いところに
ふれてみた夢を忘れては何度でも夢からさめる