夢みる
はるな


世界が世界であるかぎり
わたしたちは夢を見るのだし
なんどでも夢からさめる
放りだされたさいころみたいに
つめたい体を転がしながら ときどきは、
咲いたりもする
咲いたふりをして逃げたりもするし
逃げてるのを忘れて
追いかけたりする
パンにバターを塗りもするし
友人を殴ったりもする

ときどきは、
ほんとうに ときどきは
愛したりもする
それならもっとときどき
愛されたりする
それらすべてに気づかなかったりするし
ないことをあるように感じたりする
夢のつもりで描いた嘘だったり
嘘みたいな夢だったりする

ぜんぶは少しずつ弱くできていて
重なるようにくぼんだ世界の弱いところに
ふれてみた夢を忘れては何度でも夢からさめる





自由詩 夢みる Copyright はるな 2017-02-15 20:57:54
notebook Home