はじめての手紙たち
吉岡ペペロ

ダイナミックな荒々しさや悲しみは

フランス喜劇に鑿ふるわれて

ひとや自然や建物は小景に繊細に描かれていく

口からこぼれる呻きや

木々が風に鳴る音や

建物がたてる静けさは

もう同列のだれにでも訪れる

ダイナミックな荒々しさや悲しみであり

喜劇の跡であり

繊細に描かれたひとや自然や建物だった


彼に出会ったのは30年前

はじめて手紙を挟んだのも彼だった

はじめて手紙を挟まれたのも彼だった

その彼をとある月報に見つけたとき

彼が描く浄めきられた物語を夢想した

のちに彼はその一部のそのまた一部を描いたのだが


ダイナミックな荒々しさや悲しみは

フランス喜劇に鑿ふるわれて

ひとや自然や建物は小景に繊細に描かれていく

口からこぼれる呻きや

木々が風に鳴る音や

建物がたてる静けさは

もう同列のだれにでも訪れる

ダイナミックな荒々しさや悲しみであり

喜劇の跡であり

繊細に描かれたひとや自然や建物だった








自由詩 はじめての手紙たち Copyright 吉岡ペペロ 2017-02-12 20:12:16
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