ホームシック
やまうちあつし
愛が泥のようだ
見慣れた街が異国になって
まばたきをする
汚れつちまつた上着を羽織り
わたしは先天性ホームシック
幼い頃に盗まれた
大事なものを探すけれども
それは一体何だったろう
誰にも聞えない歌を歌う
三日月だけを泣かしたらそれでいい
誰にも見えない海を持つ
一頭の鯨だけ永遠ならばそれでいい
それなのに
どうしても
愛が泥のようだ
黒い翼のむこうには
いまだ訪れたことのない
ふるさとがある
ライオンがいる
自由詩
ホームシック
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やまうちあつし
2017-02-12 17:45:28
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