「今」
紺
色が見える
肌触りを感じる
匂いと、
匂いとみたいに立ち上る情感
一瞬が光の速さで
私たちが気がつく時にはもうすでに
少し過去だ
今とは、悲しいかな少し過去だ
詩のようなものを書く時
私達はその
速さに挑戦している
気がする
あの時確かに駆け抜けていった
ストロボみたいな
しかし気配もなくひどく静かな
もう
誰もが忘れてしまったかような
はじめから
何もなかったかのような
あの「今」を捕まえたい
この膨大な影の中から
あの「今」を捕まえたい
そして証明したいんだと思う
のっぺりした過去に埋もれがちな毎日に
私達が本当に生きているフィールドは
ひたすら五感が追いつかないほどの速度で
直視できないほどの輝度を持つ輝きの
連続描写であるということを