金の花びら
ひだかたけし
ふわふわ
漂い
ゆっくり落ちる
金の花びら
わたしは貴女を知らなかった
[磯の香 、 零れる光滴 、 白波の残響]
あの青い青い宇宙の大海原
貴女は幾人もの従者を連れ
喉を震わせ優雅に残酷に
謡い舞う、舞い謡う
その細く長い両腕を
時折優しく交差させ
さっと広げて円描く
そうして遂には電光石火
纏った白装束よりさらに白い
大理石の四肢を剥き出しにして
黄金の火花を散らす、荒波のなか
[終わりに向けてか 、
始まりに向けてか 、
ただただ烈しく
火花散らす 、
この宇宙の大海原に
貴女は次第に遠去かる 、
微かな笑みを浮かべながら]
ふわふわ
漂い
ゆっくり落ちた
金の花びら
わたしは貴女を知らなかった
ー未だ貴女を知らないままに