印あかり

折れ傷つき 挫け痛み
苦い草を食いちぎり また歩み
道ならざる道に 壁は壁ですらなく
人のほほ笑みは 時に後ろ髪をひき
憎しみを擦りあわせて ほのかに熱をだし

また歩み また断崖に臨み
おおきく伸ばした両腕の 握りこぶし
空は青く 海は青く
吐きすてた草を食む馬の 風のようなたてがみ
時を怖れては 一度は死を思い
二度と日の目を見ない 怖れに負けて

泣き さけび 光は潰えた
静けさの前に わたしの耳を食い破れ


自由詩 Copyright 印あかり 2017-02-04 13:18:34
notebook Home