夢の世界で
藤鈴呼
哂う 山茶花
唇の色合いを 秤にかけて
軽く 溜息
笹で 囲われた
冬の風景が
気に入らないと 嘆く
雪の 白さも
空の 藍さも
自らの 青さに 変わるだけ
竹藪は 何時までも 続かない
スッと 角度を 変えれば
見たことも無い 美しさに
出逢えるのでしょう
夢の世界に 還れると
安心しておいで
一つだけ 気を付けるならば
葉の切っ先
柔らかな お餅みたいに膨らむ
君の頬を
傷つける 予感がするから
要注意
余寒お見舞い申し上げぬ間に
消えた桜に 問いかける
花びらの色が
ちょっと 濃ゆすぎたのですね
キミは わらう
ゆっくりと 歯を見せた
中心部分が いやに黄色くて
目を伏せた
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