初雪
たもつ



犬も歩けば棒に当たるというけれど
今朝から当たるべき棒が見つからないし
君が大切にしていた犬は
もうとっくにこの世にはいない
手を握り
お互いに年を取ったね、と笑う
話したいことは
一生かけても話しきれないのに
君の肩越し、窓の外に見えている
多分あれは初雪だろう



自由詩 初雪 Copyright たもつ 2017-01-30 19:12:33
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