次の発車を待つ
竜門勇気


午前4時
夕暮れが恋しくなる頃
息の白さが深く沈む
繰り返すさみしさの波に
黒く溶けていく

闇の中で誰かがいった
こんなはずじゃなかったよな
そうだな、こんなのは
どっかのグズの悲劇でさ
俺たちに降りかかるようなもんじゃないって
信じていたし
ある場所までは実際そうだった

午前4時
いつの間にか悲劇を
着込んで震えてるのに気づく
息は白さを浅くする
呼吸は闇と等しくなる

頭の中で風は止んだ
何も変えられないし
もう何も耐えられない
透明になった風車
回ってるのかもしれないし
そうじゃないかもしれない
ここにはもう何もない
この場所では風は病んでいる



自由詩 次の発車を待つ Copyright 竜門勇気 2017-01-30 07:55:42
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