そっと君から信じてもらう光景に
竜野欠伸

ほんとうの自分のことを
わかってもらうことは
誰かをそっとこころのなかで
信じるということでした

あの日を 
僕らが生きていること
すでに静かな風が通りすぎるように
深い森林と広い草原が夕暮れと横たわる
うなずきながら橙色に焼ける
永い地平線の違いを
ふたりでそっと眺めることでした

だから
例えば夜明け前に
深い森林のなかで
そっと佇んでいたとしても
真夜中の広い草原のなかで
ふとほんとうの星空を探していたとしても

あの日を 
僕らが生きていること
きっと小さな恋のあいだに
うっとりした夜空のなかにいる
ずいぶんと静かに風はささやいて
僕らはこころのなかで
焚き火を灯すことができる
ほんとうの自分のことを
そっと君から信じてもらう光景に


自由詩 そっと君から信じてもらう光景に Copyright 竜野欠伸 2017-01-25 22:39:58
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
彼女に捧げる愛と感謝の詩集