別離

色とりどりに囲まれて
瞼を閉じている

ここは砂の城で
うみねこが足跡をついばむから
来た道も忘れてしまった

言葉は
その時だけのもので
振り返っても、目を凝らしても
形にはならない
壊れない代わりに
決して触れられない

月と、手と、花と、それから

薄ぼんやりとした
灯りを見ている

あなたはひとり、瞼を閉じている


自由詩 別離 Copyright  2017-01-20 12:45:41
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