つくろい
そらの珊瑚


おはようを云いたくない時にも
おはよう、と云う

ほんの少しほほえんでいたかもしれない
本意ではないし
嬉しいからではなく
茶柱が立っていたわけでもなく
それは
毎日の習慣だったから

時に
習慣は心に不誠実だ

家族を送り出し
もやもやとくすぶりつつ
玄関の鏡を見ながら
髪の毛に手ぐしなどを入れれば
とても誠実な仏頂面がいて
くすりと笑えば
あなたも笑った


自由詩 つくろい Copyright そらの珊瑚 2017-01-20 08:18:57
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