どうしていまごろあなたはそんなに
はるな
食べそびれたナッツケーキ、午後は乾いて吹き飛んで
月や夕陽に紐をつけて散歩させる毎日わたしたちは
もちろんその暇があればすぐ殴りあう
どうしていまごろあなたはそんなに
犬たちの、猫とは違うやさしさも
いまは嬉しくかんじない
とろとろにころんだ宇宙も
よいけど欲しくはおもわない
肌をつけて眠るのも、いいにおいのおゆも
むき出しのヒールや熱いお茶も
めくばせや嫉妬やミラーボールがまわったときのひかりのちらちら動くのも、
素敵とおもうし好きだけど
もうとりにいこうとおもわない
五月の庭は朽ち果てて 夢の途中で目がさめる
いよいよ紐がながすぎて
支える指も折れたから
どうしていまごろあなたはそんなに