生まれながらの血の不足
AB(なかほど)

  
そんな風にときどき
ためいきをつきたがっている
ぐらいなのに
そんなところへ
Mさんのお話なんかされるものだから

まっ
    しろ

になってしまって



いつでも
間がわるい僕にとって
足りないものはたくさんあるの
それがなんなのか
ひとつひとつあげていくことなんかできない
それが
ぼんやりとした不安につながるのか

ねぇ

ぼんやりとした不安

  って素敵な響きなのに



小春日和の河原の土手で
あくびをしながら
夕焼けを飲む

すこしだけ血が濃くなる
すこしだけやわらかくなる

生きているって言ってみろ
 って言ってたくせに

あんたも

 この夕焼けを飲んでみろ





「即興ゴルコンダ」より


自由詩 生まれながらの血の不足 Copyright AB(なかほど) 2017-01-16 22:50:16
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夕焼けが足りない