やわらかに酔わせて
末松 努

粘土の
少し油臭くて
押せば形を変える
素直で
拘らないところが
好きで

柔らかいけど
ちょっとだけ固く
抵抗する素振りを見せて
ふにゃりと
沈む
そして
どこまでも受け容れる笑みを
こっそり
向けてくれて

ぼくはきみの
そんなところが好き
きみの風貌に似合わない
すっぽりと空いてしまう
その穴がとても好き
なぜこれほどに
いとおしいのか
なにもわからないけれど

それを
コンプレックスと
きみは悩むけれど
コンと
プレスしてやれば
じゅわっと蒸気があがって
レッ等感は
クずれ去る

きみが嫌いなところでも
ぼくはそこがとても好き
きみがそれを認めたら
こんどはきみも好きになる


自由詩 やわらかに酔わせて Copyright 末松 努 2017-01-15 22:05:35
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