釣りの本
番田 

中古だったコートをネットで買って
私は歩き回る 街を
そんな日曜日の弱い日差しの中を
静かで寒い 一番 そんな日が落ち着くのだった


この先 私の人生はどうなるのかは
何もわからない今は私がいつも楽しかった
昔のように 出かけてみよう 釣りにでも 私は ただ
思い出しながら 笑顔でいられた 子供の頃を


時間が あの頃は ただ たっぷりとあった 
季節の移ろいゆく時の中で私は風景を見ながら 
私は 草の匂いを思い出す あの頃 嗅いでいた
図書館で手に取らされた本をめくる時


本を手に そんなことを 思い出した
寒い日も 私は 釣竿を持って出かけた
今 私は ただ 非正規労働者で 今日の日に
消えた 夕暮れの色も忘れてしまったけれど



自由詩 釣りの本 Copyright 番田  2017-01-15 18:54:36
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