車輪が雪を掻くように
吉岡ペペロ

名古屋が白く煙っていた

空に面したすべては雪を

素直なぐらい被っていた

冷たい車窓に手を当てる

ごろごろって手を当てる

我慢する温かさが欲しい

吐き出したら傷つくから


私どうしの濡れ衣は

今夜も月に照らされて

楽しい夜

貧しくて

不自由な

少年時代を思い出す

車輪が雪を掻くように


名古屋が白く煙っていた

空に面したすべては雪を

素直なぐらい被っていた

冷たい車窓に手を当てる

ごろごろって手を当てる

我慢する温かさが欲しい

吐き出したら傷つくから







自由詩 車輪が雪を掻くように Copyright 吉岡ペペロ 2017-01-14 20:03:05
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