気が狂っても望む死
塚本一期

去年の未来。2月4日。ぼくは愛と信じたものを失って、支えが外れてしまった何かのように、部屋でつまづき、倒れ、目から鼻からしょっぱい水を垂れ流して、動物のように、動物の悲鳴のように 叫び、歩こうとしては倒れ、テーブルの端っこも掴めず、呼吸も叫び声に変わり、4ヶ月もそうしていた。
また同じことが起こる気がして、突然怒りっぽくなった。
ぼくはまだ死にたくない。
できればバラみたいな花のベッドに眠らされているような死に方をしたい。
誰かの愛情を一身に受けて、微笑みながら死にたいのだ。そこには天国が見える。どんなにこの肉体と精神が大きな傷痕を抱えていても。何もかもきれいに治って、解放されていく。
小さなぼくの恋人よ、ぼくが命を終えるときまで、決して離れないでいておくれ。
ぼくは死ぬのは怖くない。死に方にこだわっているだけなんだ。

2017年1月2日


自由詩 気が狂っても望む死 Copyright 塚本一期 2017-01-09 20:29:03
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