螺旋の下
プル式

眠くてまぶしい朝に
頭の中がしびれてしまって
透明になれない事を
知ってしまった

墓石は名前なんて刻まれて
白い空気の中で
野良猫がセックスしてる横で
命の事なんかお説教している向こうで
会社についたら
眠ろう
仕事のフリしながら
夢の国に旅立つ

準備は万全だ
パソコンの画面の中で
きっと虹が待ってる

カラスが針金を咥えて飛んでいくよ
銀ぴかが色が光ってて
ぎらっと空を切り裂いて行って
芋虫みたいな星空が覗いて
まぶしい朝に頭の中がしびれてしまって
通りゃんせが誰もいないって泣いて
朝マックが嫌いでさ迷って
花壇に腰掛けて
目を閉じて
すぐに空を見返して
まだ少し深い青から
今日一日分の涙がこぼれる瞬間を
あきらめながら眺めて

できない事とできない事とできない事を
ドミノ倒しで捨てる
眠くて眩しい朝に沈む憂鬱なマフィン。


自由詩 螺旋の下 Copyright プル式 2017-01-08 00:06:41
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