埋葬
水菜

真っ白な、祭壇に、小さな心臓が、乗っているのを、僕は、夢で見て、ひどく優しい気持ちになりました。

まだ、真新しいその小さな心臓は、赤い血を流していて、僕は、小さくうずくまり、こくこくと、その血を飲み干そうと、首を後ろに傾けて、そうと、

そこで、夢は、途切れて

石膏で、出来た滑らかな人形は、僕を象っていました。

僕の小さな心臓は、祭壇にあります。

取りに行かなくちゃ。急に、焦ったような心地になって、ふわふわした足元をめちゃくちゃに動かして

僕は、石膏の僕に会ったのでした。

祭壇に置かれた心臓を僕の身体に戻して

石膏の僕は、身体の中に僕を入れてくれました。


自由詩 埋葬 Copyright 水菜 2017-01-06 23:40:41
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