冬のしっぽ
本田憲嵩



太陽が冷たい大気をとおして
八角形にかくばっている
冬の朝
道路は人びとのいとなみに活気づいている
みなの吐くしろい息が揺れている


むこうの馬小屋のひらかれた窓から
茶色い馬が尻をむけている




冬の制服、
様子を、うかがいながら、
恥じらうように、
小走りで、よこぎってゆく、
しろいいき、
ちいさな、て、
くろいしっぽも、
ゆれる、
マフラーを巻いた、
その恥じらい、
揺れる、
手と手をつないだ、
おもいで、



自由詩 冬のしっぽ Copyright 本田憲嵩 2017-01-05 12:33:18
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