影分身
朧月

綺麗にするぞといきまいて
部屋の掃除をしてみました
どんどんどんどん捨てていくと
いらないものの多さに驚きました
どうして私は買ったのだろう
いらないのに
ためこんだのだろう
その時の自分の気持ちを
わかっていながら知らぬふりをした
私は私をだきしめていた
いらないけれど必要だと
どうしても捨てたくなかった
捨てられたくも とられたくもなかった
ぎゅっと握りしめていたものたちを
そっと手放しました
部屋にあらわれた空間に目をやると
うっすらと私の影がありました


自由詩 影分身 Copyright 朧月 2016-12-29 21:50:40
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