死の森(書き直し)
印あかり

やわらかく肥えた鳥の声

湖はなにも諦めた
うらうらとして風さえ感じない


すると
朽ちた木の声がした
死の森は青空に焦がれていた、と

そうなのか、と応えたかったが
あんなにもう悲しい姿で
それだけ伝えたのかと思うと
ね……


何を実らせようというのか
死はびっちょりと膿みながら
数枚の花びらを産んだ

どうやっても愛されてしまう
花のかたちは不憫だね、と
嗤っている


そうして
嫌悪した青は遠ざかっていく

鳥だけを遊ばせて


自由詩 死の森(書き直し) Copyright 印あかり 2016-12-24 14:07:45
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