サンタクロース
水菜

昔、子供の頃に、良い子にしていなければ、サンタさんは来ないのよ。と、教えられて、純真にサンタさんを待ち望んでいた私は、友人と、煙突が無くてもサンタさんは大丈夫なのかしらと話をしていた。
真っ赤な赤鼻のトナカイの歌が大好きで、トナカイを労るサンタさんの姿に幼いながら、胸をうたれたんだろう。
今年は、良い子じゃなかったから、サンタさんは来ないかなぁ、来なくとも別に良いや。と子供ながら、殊勝に決意していたが、その思いは、毎年覆され、
目が覚めた時には、必ず、枕元に本が置かれていた。
本が大好きだった私は、サンタさん報告に母に興奮気味に全身で喜びを表現するのだが、冷たくあしらわれ、喜びは、毎年共有されなかった為に私は、妹や弟の元に向かう。
毎年のことである。
サンタさんは、末の弟には大抵、消防車などの車で、妹には、漫画だったが、皆、見せあって喜びを共有した。
ところが、である。一番上の弟が暗い顔をしている。夜中頑張って起きて、サンタさんを張ってたというのだ。
特に興味もなく、ふ~ん?と済ませていた私だったが、次の年からサンタさんは、現れなくなった。
悲しいお話である。
苦笑。


自由詩 サンタクロース Copyright 水菜 2016-12-24 01:27:04
notebook Home